本文
自治基本条例とは
善通寺市市長公室企画課
(1)自治基本条例とは
自治基本条例とは、安定した行政への市民参加システムを保障するため、主権が市民にあることや、具体的な行政への参加の仕組みなどを定めるものです。市民主権について、日本国憲法では「国民」に主権があることが規定されていますが、「市民」に主権があることを明確に定めた法令は存在していません。また、参加の仕組みについては、現状の法令にほとんど具体的な規定がありませんので、市独自の仕組みを模索し、定めておく必要があります。つまり、自治基本条例は現在の法令の不備を補うことにより、本来あるべき市民と市の姿を定めるものとなります。
(2)なぜ条例なのか
自治基本条例は市民主権を軸として「自治」について宣言し、参加の制度を定めるものです。このような内容のものを「市民憲章」や「都市宣言」あるいは市の計画として定めると、選挙によって次々と代わっていく首長や議会により変貌をとげていく可能性があります。この内容は将来に渡って存続すべきものであることから、任期に定めのある自治体首長や議会に左右されない「条例」として定める必要があります。
また、主権の宣言や基本的制度を定めるものであることから、「自治体の憲法」と呼ばれることがあります。地方自治体は憲法を制定することはできませんので自治体が作り得る法規としての条例により定めることとなります。なお、条例に優劣をつけることはできませんが、この自治基本条例は自治体の持つ他の条例よりも上位に位置(最高法規性)することとなり、その最高法規性についても規定しておく必要があります。
(3)何故今必要なのか
近年、地方分権が推進され、国・県に従属的であった市町村が対等的な関係となったことにより、行政運営に関する市の「意思」が問われる時代となりました。このため、その地域における自治を再定義し、市民と行政が合意しておくべきことを定める必要性が出てきました。自治基本条例はこのように市町村に自立が求められる時代において策定気運が高まってきたといえます。
(4)この条例に必要なこと
上記のことなどから、この自治基本条例には以下のものが必要であると考えます。
- 市民主権の宣言
- 市民の、行政に対する参加の権利
- 市の、市民参加をシステム化する責務
- 市民の、行政運営に関るにあたっての権利及び義務
- 市の、市民参加型行政の運営にあたっての責務
- 具体的な市民参加の仕組み
- 本条例の最高法規性及び改廃に関すること