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ドクターからのアドバイス(老精神科医の憂鬱)

印刷用ページを表示する 掲載日:2014年7月30日更新

ドクターからのアドバイス(老精神科医の憂鬱)

中島クリニック 中島大作先生

最近の心療内科(精神科)を受診する方の傾向は、相変わらずうつ症状の方が多いのですが、その背後には、この社会のストレスの増加と多様性、それらに対する抵抗力、対応力の低下が見てとれます。

現代のストレスの原因になっていることは何か、を考えると、人間の力では防ぎようのない災害などは、止むを得ないとして、欲望、金銭、権力、それらが複雑に絡まった戦争などの、人間を原因とするものがあります。それを解決するためには他の存在の自由を侵害しないよう、根気強い話し合いと信頼、すなわち平和であることがその前提となります。付け加えれば、乳幼児、さらに児童期の発達において最も重要なのは、家庭と学校の安全な環境と平和であるといえます。

このところ、新聞・テレビ等で、子育てによるストレスや、社会資源の利用に対する不十分な認識から引き起こされる児童虐待などの報道を見るにつけ、なんとか子どもの命だけは救いたい、と感じます。また、昨年、やっと3万人を下回った自殺の原因は、社会的ストレスからくる心の病が多くを占めていると思われます。

精神疾患特にうつ傾向の多様化について、病気の分類は細かくなり、さまざまな薬物が開発され、それぞれについての適応は細かくなり、その情報が、誤ったものを含めインターネットで開示されています。私達は、目で見えること(姿勢、動き方、表情など)と言葉のやりとりから、どのような状態であるかを診断しています。ところが、最初から自己診断したり、薬物を指定してきたりする患者さんが私達を悩ませます。もちろん、こちらがよいと思って処方しても、服用する、しないは患者さん次第であり、服用しない方もいます。

ますます複雑化する社会と、そこで生活せざるを得ない私たちも憂鬱です。



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