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ぜんつうじのものづくり「和うるし工房あい」

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年9月27日更新

ぜんつうじのものづくり

和うるし工房あいの漆器

善通寺市中村町で漆器をつくっているのをご存じでしょうか。
次の写真はその工房で作られた作品のひとつです。

和うるし作品写真1

本日取材をしてきました。
こちらが、工房を営むお二人。松本和明さんと宮崎佐和子さんです。

作者写真

本日いくつかの作品を見せていただいたのですが・・・、その中で印象にのこったものは次のお椀です。

まずは、大森俊三さんという漆かき師が採った漆でつくった器。秋の裏目(おわりのころ)の漆だそうです。

岩手浄法寺産漆の漆器写真2

同じく岩手浄法寺産で、大森さんの採った漆を用いたもの。漆は2004年、夏の盛のもの。下地は5層、中塗り7層、上塗りが2層と丁寧に塗り上げていったものだそうです。

岩手浄法寺産漆漆器写真3

私の思う漆器のイメージとは違い、マットな感じの仕上がり。初めてこうした作品を見ました。
飾りは少なく、その質感こそが美しいと思えました。
実用品でありながら、芸術品でもある。こうしたすばらしいものを善通寺市内で制作していることに感動しました。

和漆とは何か。多くの説明を聞きましたが、その中で最もこころに残ったのは、中国産の漆がボジョレーヌーボーだとしたら、松本さんが好んで用いている和漆はボルドーだというたとえの言葉でした。
漆にも多くの種類があり、国内の漆器には中国からの輸入物を用いたものも多く存在しているそうです。
一方で、国内には優れた漆があるそうです。
松本さんもいくつかの種類の漆を用いていますが、特に岩手の大森俊三さんという漆かきのつくる漆を絶賛していました。
「漆」は誰もが簡単に採れるものではないそうです。その「漆かき」の手腕により全く異なる質の漆となります。
そして、この大森さんの取り出す漆は、長い時間をかけ、より味わい深い質感を生み出すそうです。こうした特色をとらえて、「ボルドー」とたとえた訳です。

漆の写真

多くの漆器工房の中には、強い漆のにおいがするところがあります。これは、漆のまざりものや漆自体の腐敗臭であったりする場合があります。この工房で使っている和漆のにおいをかいでみると、ほのかに甘いかおりがします。
これも、松本さんが用いている和漆の特徴で、まざりものがなく長持ちし、時間をかけて味をだしていけるそうです。

そんな工房で、現在作成中の漆器を見せていただきました。
この弁当箱・・・丁寧な仕事ですね。時間をかけ幾重にも塗るため、当然ですが単価も高く五万円ほどするそうです。
ところが、注文が止まないそうで、制作が追いつかないそうです。

弁当箱写真1

かわいらしい和柄です。

弁当箱写真2

弁当箱写真2

思わずほしくなってしまいます。

漆器づくりというのは深い世界です。
漆や木と対話をしながらものづくりをしているのは知っていたつもりです。
しかし、意外にも、思ったほど国産の漆が使われていないなど、知らないことも多くありました。

伝統的なデザインといえば、つやつやした漆器を想像すると思います。そのデザインは電気などが存在しない時代から、暗い部屋の中で見ても美しさを認識できるようにするために、時間をかけて考案されたものといえます。当時はお湯を沸かすのにも時間がかかり、エアコンもなく、洗剤でお椀をあらうことも少なかったでしょう。
しかし、現代では、漆器をとりまく環境が劇的にかわり、お湯がすぐ沸くので注ぐことも多くなり、エアコンを用いることで室内温度は四季どおりではなく、かつ乾燥し、器は洗剤で洗うし、明るい照明の下で見る機会のほうが多くなっています。

和漆-この素材は一見、伝統的に使われているようで、実は多用されているものではなく、ある意味新しい素材と言えます。あのマットな仕上がりのお椀は、伝統的なデザインを活かしながら、現代の使用環境を想定し、そして和漆の特性を活かして生み出されたものです。また明るい照明で見ることができるようになった現代の住環境であるからこそあの質感の美しさが際立つわけです。

このように「和うるし工房あい」の魅力は、かねてから国内で存在していた和漆という新しい素材のために、技術を再構築している点にあるのかもしれません。

取材のご協力ありがとうございました。

そんな「和うるし工房あい」について、詳しいことは次のURLのホームページをご覧ください。
http://waurusi.com/
http://waurusi.sblo.jp/



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