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善通寺市の郷土館特集その3です。
今回は陶器の枕を紹介します。陶枕(とうちん)とも言います。
私としては相当珍しいモノだと思いましたが、よくよく調べてみると、歴史は古い上に、いまなお市販されているそうで、個体も多くのこっているそうです。
古いものでは中国製の陶磁器製の枕で唐代・宋代のものなどが日本に伝わっています。その作品も変化に富み、唐三彩・黒定窯、磁気窯などがあります。平安時代の遺跡からもこうした陶枕が出土することがあるそうです。時代は下って、明治時代には瀬戸などの白磁製の角枕が中国に輸出されたこともあるそうです。おそらく、この枕は明治期前後のモノではないかと思われます。陶枕は中が空洞で、空気の流れがよく冷涼感があって頭寒に適しているそうで、文人にも人気があったそうです。
枕には「長寿」の文字が記されています。だれかの長寿を願って贈られたモノなのでしょうか。
ここには日常ではあまり見ることができないモノが多くあります。ぜひ善通寺市郷土館を訪れてください。