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香色山山頂遺跡群調査報告書

ページID:0006134 更新日:2014年4月23日更新 印刷ページ表示

香色山山頂遺跡群調査報告書 ~善通寺市内遺跡発掘調査事業に伴う埋蔵文化財発掘調査報告書4~

1996年3月 善通寺市文化財保護協会

香色山山頂遺跡群調査報告書 [PDFファイル/20.41MB]

(前文より)

 弘法大師誕生地である善通寺市の西方には、大師ゆかりの名がつけられた五つの山々が屏風のように並び、「五岳山」と呼ばれ市民に親しまれております。特に総本山善通寺の西側に隣接する香色山には、山裾を一周するミニ八十八カ所巡りコース(1.6km)があり、早朝から多くの市民がこの山を訪れています。香色山は山頂からの眺望もすばらしく、展望所からは丸亀平野はもちろんのこと、瀬戸内海の島々や対岸の岡山まで見渡すことができます。
 このすぐれた環境は古代から受け継がれてきたもので、五岳山全域には青銅器埋納遺構や古墳、祭祀遺構、寺院など古代から近世に至る多様な遺跡の存在が知られております。
先人はこの地をとても神聖な場所として見ていたのですが、私たちは貴重な自然環境などに対して無関心になりがちで、このたび、私たちがいつも歩いていた地面の直下から、1号経塚のような貴重な遺構や遺物が発見されたことは、この地に住む者には大変な驚き、そして喜びでありました。
 現地を訪れる登山道の表示板に、当市の古代文化を心から愛し、研究されていた矢原高華氏が「総本山善通寺西方四至香色山霊蹟」という言葉を残されています。これまではなにげなく見ていた言葉でありましたが、今では、この山々も先人が我々に残してくれた貴重な文化遺産であることを再確認し、誇りに感じております。
 このたびの善通寺市内遺跡発掘調査事業実施にあたり、ご協力をたまわりました関係機関の方々、また報告書刊行にあたり、ご指導をたまわりました諸先生各位に厚くお礼申し上げますとともに、発掘調査に携われた調査関係者の皆様のご苦労にも心から感謝申し上げます。

(報告書概要)

1.本書は善通寺市教育委員会が国庫補助事業として実施した、埋蔵文化財調査事業(善通寺市内遺跡発掘調査事業)の発掘調査報告書である。
2.本事業では善通寺市善通寺町字平谷1050-1(香色山)において、平成7年7月10日から同年9月6日までは山頂部、同年12月9日には北側山裾部で発掘調査を実施し、平成7年9月7日から平成8年3月31日まで調査資料と出土遺物の整理作業を実施した。
3.本調査は香色山山頂遺跡が中心であるため、報告書名は「香色山山頂遺跡群調査報告書」としたが、北側山裾部の調査結果も併せて掲載した。
4.本書の編集作成は善通寺市教育委員会文化振興室主事笹川龍一が行い、1号経塚と出土遺物に関しては、奈良国立文化財研究所飛鳥資料館学芸室文部技官杉山 洋氏から玉稿を賜った。杉山氏には1号経塚確認直後から、調査・分析に関して多岐に渡りご指導頂いた。また、銅製品の分析やクリーニングについては奈良国立文化財研究所にご協力頂いた。紙面を借りて厚くお礼申し上げます。
5.補助事業の中で実施された、各遺構の実測や周辺部の測量調査及び遺物の実測は四国学院大学考古学研究会の協力を得て笹川が行った。また、本文中に掲載した鉄製品の実測図は香川県工業技術センターのご協力でエックス線写真撮影を行い、これと遺物を基に作成した。

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