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天霧石

ページID:0008067 更新日:2014年8月13日更新 印刷ページ表示

 天霧石について

天霧山をご存じでしょうか。善通寺市と多度津町、三豊市の市町境にある山で、昔から石切場としても有名でした。
そこから、切り出された石を天霧石といい、これを素材にして多くの石製品を作り出しました。
現在善通寺市内で、ご神体として扱われているもののなかにも、この石が多く使われています。
天霧石の最近の研究では切り出された石を4つに分類しますが、材質は主に集積岩と礫岩です。
中讃地域を中心に分布していますが、遠くは愛媛県佐田岬半島の伊方町や、広島県厳島、兵庫県姫路市円教寺など、広範囲に分布しており、中世の石造物の流通範囲を伺うことができる貴重な資料です。
見た目の美しさは御影石などには遠く及びませんが、当時は白く商品として珍重されていたのでしょう。地域を代表する歴史資料に今一度眼を向けてみるのも悪くないかもしれません。
近くにあるご神体、石塔など、この石が使われていないか注意深く観察してみてください。

筆岡小学校近くの天霧石ご神体

善通寺境内石造物

 (参考資料)

 西讃岐における中世石造物の特質 -善通寺旧境内所在の石造物を中心に- 海邉 博史・松田朝由 『日引』11
 『中世讃岐の石の世界-生産・流通・信仰ー』 2005 石造物研究会第6回資料