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善通寺市デジタルミュージアム 木熊野神社
木熊野神社
木熊野(きくまの)と名づけられた神社は瓦谷、生野の原、西岡にもありますが、すべてここ中村の木熊野神社からの分霊といわれています。ここは、中村町の産土神(うぶすながみ)で、十二社権現または梛(なぎ)の宮と呼ばれていました。木熊野は紀伊熊野の意味で、もともとは熊野権現であったのを、明治の神仏分離令によって木熊野と改称、登録されたのです。
木熊野神社の特殊神事(県の無形民俗文化財)10月7~9日
木熊野神社の秋祭りでは、昔ながらのしきたりにのっとった珍しい神事が行われています。
祭の7日前の「シオカワ神事」は、頭屋(とうや)の家に神主が来て御幣(ごへい)を切り、餅をつき、甘酒を神社まで持っていきます。神社では社前の湧き水に神主や頭屋の主人などが素裸で入り身を清め、祭具を洗います。祭りの前日には、頭屋の家に御神屋(ごじんや)を設け神社からの神輿を迎えます。神輿は祭り当日に頭屋を出てお旅所(たびしょ)に向かいます。ご神体は、オンユルワと呼ばれる小桶の中に入れた玄米で、お旅所で神主の手によって神輿の中に納められます。ここで献饌(けんせん)の儀や獅子舞の奉納があり、やがて神輿は本社まで戻り神事が終わります。
玄米をご神体にするなど、この祭りは農耕儀礼のひとつだったのでしょう、先祖の暮らしぶりが偲ばれます。古いしきたりを守り続ける伝承会のご苦労のおかげで、県の無形民俗文化財に指定されています。
所在地
中村町137
多度津・善通寺線の南側。
若宮神社の西